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◆◇◆◇ EURO FOOTBALL #30(2005/4/7) ◆◇◆◇
2005/1/27 創刊
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□■ トピックス □■
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┗1、チャンピオンズリーグ 準々決勝結果詳報
ミラン(ITA) vs インテル(ITA)
チェルシー(ENG) vs バイエルン(GER)
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1、チャンピオンズリーグ 準々決勝結果詳報
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ミラン(ITA) vs インテル(ITA)
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○得点
45分 スタム |
74分 シェフチェンコ |
|
○交代
55分 フリオ・クルス→ビエリ(インテル)
70分 ヴェロン→カラグーニス(インテル)
ネスタ→カラーゼ(ミラン)
80分 ザネッティ→ファン・デル・メイデ(インテル)
83分 クレスポ→アンブロジーニ(ミラン)
91分 カフー→コスタクルタ(ミラン)
〈試合概要〉
9分 ミハイロビッチのフリーキック
会場はもちろん超満員。ダービーの異様な雰囲気もあって互いに比
較的活発に攻めている両チーム。
そんな中、ゴールやや左からのフリーキックのチャンスを得るイン
テル。蹴るのはミハイロビッチ。美しい弧を描いたボールはゴール
左上のボール一個分のスペースへ。完璧な軌道を描いたボールだっ
たが、ジーダの驚異的なバネによって弾かれる。
24分 フリオ・クルスのシュートは外れる
互いに持ち味の硬い守備力を発揮し、容易に攻めることが出来ない
両チーム。一瞬のミスが明暗を分ける。そんな中、ガットゥーゾの
パスミスからの速攻で数的優位を生み出したインテルだったが、
クルスのシュートはゴール上方に大きく外れていった。
34分 ヴェロンのフリーキック
直前のファウルで得たフリーキック。このファウルでイエローをも
らったガットゥーゾは次試合の出場停止が決まった。
開始早々のフリーキックとほぼ同じような位置。再びミハイロビッ
チの登場かと思いきや、今度はヴェロンが蹴る。しかしボールは再
び枠を捉え、非常に際どいコースに飛んだが再びジーダに弾かれた。
44分 クルス、フリーも再びジーダ
中々思うように攻めることが出来ない両チーム。互いに分厚い守り
が崩れることはなかったが、ミランディフェンスに一瞬の隙が生ま
れる。そこを突いたクルスがフリーでシュートを放つが再びジーダ
のファインセーブに阻まれる。
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前半ロスタイム スタムのヘディングでミラン先制
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前半まったくいいところなしだったミラン。ロスタイムに入った後
に得たゴール右からのフリーキック。ピルロが蹴ったボールはスタ
ムの頭にぴたりと合う。これにはマーキングしていたコルドバも競
り合うことが出来ず、キーパーのトルドも一歩も動けなかった。
ミラン、最高の時間帯に先制点をもぎ取る。
======前半終了======
得点:1−0
イタリア勢同士の対決らしく、かつ1stレグの戦い方らしく、互いに
慎重さが際立つ前半だった。
そんな中、終始攻めていたのはインテル。主に右サイドから攻撃を組
み立てミランゴールに慎重に襲い掛かる。フリーキックなど決定的な
チャンスは数回訪れたが、しかし全てジーダに阻まれた。
一方のミランははっきり言ってまったくいいところなし。小さなミス
を連発し前線にボールを供給することもままならず、ゴールチャンス
は皆無と言って良かった。
しかし最後の最後でスタムが先制点をもぎ取り、結果的には最高の前
半だった。
インテルのコルドバがミランのチャンスを事前にことごとく摘み取り、
ミランはとにかくジーダに尽きるという前半だった。
55分 シェフチェンコ クロスに合わせるもあと一歩
前半よりは積極的な攻撃を展開し、よりスペクタクルな展開をし始
めた両チーム。
カカのクロスはゴール前のシェフチェンコに送られ触ればゴールと
いうところだったものの、あと一歩のところで届かず。
55分 フリオ・クルス→ビエリ(インテル)
ここで御大ビエリが満を持して登場。果たして救世主となれるか。
70分 ヴェロン→カラグーニス(インテル)
ネスタ→カラーゼ(ミラン)
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74分 シェヴァ 復活のヘディング弾
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思うように攻めることが出来ないインテルは、苛立ちからかミハイ
ロビッチが不用意なファウルを犯す。コーナーに近いフリーキック
から再びピルロ。美しい弧を描いたボールは高い打点で競り合う
シェフチェンコの頭にドンピシャ。怪我明けの復活弾を見事に飾っ
た。
80分 ザネッティ→ファン・デル・メイデ(インテル)
最後の一枚のカードを攻撃に費やしたマンチーニ。貴重なアウェイ
ゴールを狙ってくる姿勢が見える。
83分 クレスポ→アンブロジーニ(ミラン)
守りを固めてくるミラン。二点のリードで十分良しと見たか。
91分 シェフチェンコのシュートはトルドが弾く
残り時間を考え、無理に攻めようとはしないミラン。ゆっくりとし
た攻撃から最後はシェフチェンコの左足。確実に枠を捉えるが、ト
ルドに弾かれる。
91分 カフー→コスタクルタ(ミラン)
======試合終了======
得点:2−0
○総評
予想通りと言おうか、堅い内容になった試合だった。流れの中からの
チャンスは両チームともにほとんどなく、得点になったのもその可能
性があったのもすべてセットプレイだった。
前半こそインテルが主導権を握っていたものの一点を取った後のミラ
ンは横綱相撲とでも言おうか、インテルを正に「いなす」展開が続い
た。ボール回しを積極的に行い、インテルはそれを中々奪うことが出
来ない。そのイライラがミハイロビッチのファウルを誘い、結果二点
目につながった。そういった意味では今季の両チームを象徴するよう
な内容であったと言ってよいかもしれない。戦力的には決して差がな
いはずの両チームだが、「勝つ」ということに対しては一回り違う印
象を受けた。
MVPはジーダに贈るべきだろう。彼が再三のピンチを一度でも許し
ていたら試合は違ったものになっていただろうし、それを防いだから
こそ流れがミランに傾いたと言える。
○二戦目へ向けて
アウェイゴールを奪えなかったのはインテルにとって非常に痛い。今
のミランを相手にインテルが同じスコアで勝つ可能性は決して高いと
は言えない。
逆にミランは次の試合で一点でも奪えれば勝ち抜けが見えてくる。
ただ、この2チームの場合ホーム&アウェイと言っても同じスタジア
ムで行われる訳で、次の試合で波乱が起こる条件は揃ってはいる。こ
うなるとアドリアーノやレコバの欠場は非常に痛い。
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チェルシー(ENG) vs バイエルン(GER)
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○得点
4分 ジョー・コール |
| 52分 シュバインシュタイガー
60分 ランパード |
70分 ランパード |
82分 ドログバ |
| 93分 バラック(P)
○交代
46分 サリハミジッチ→シュバインシュタイガー(バイエルン)
65分 グレン・ジョンソン→フート(チェルシー)
72分 ゼ・ロベルト→ショル(バイエルン)
82分 ジョー・コール→チアゴ(チェルシー)
89分 ドログバ→フォルッセル(チェルシー)
〈試合概要〉
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4分 ジョー・コール いきなり先制点
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ホームで最高の観客たちに囲まれながら順調な滑り出しを見せる
チェルシー。ファーストシュートとも言えるコールのシュートは
それそのものは勢いのないものだったが、バイエルンディフェン
ダーに当たって方向が変わりラッキーなゴール。さしものカーン
もどうすることも出来なかった。
24分 グジョンセンの決定的チャンス
いきなりの先制点の後、ボールはよく動くものの膠着状態が続く。
そんな中初めての決定的チャンスとも言えるボールがチェルシー、
グジョンセンの元に訪れる。しかしR・コバチの体を張ったディ
フェンスに阻まれる。
28分 ゼ・ロベルトのシュートは枠外に
グレン・ジョンソンのミスでボールが完全にフリーのゼの前にこ
ぼれる。シュートを放つもののボールは枠外に。バイエルンに訪
れた初めての決定的チャンスだった。
33分 ゼ・ロベルト フリーキックは外れる
抜ければ決定的というシーンでバラックがファウルを受けゴール
直前でのフリーキック。ゼが慎重に蹴るが惜しくも枠外に外れる。
33分 ランパードのシュートはゴール右に
混戦の中からランパードが左足でミドルシュート。再びDFに当
たり若干コースが変わるが、今度はそれが災いしポストをかすめ
るように枠外に。カーンは一歩も反応できなかった。
======前半終了======
得点:1−0
ジョー・コールのいきなりの先制点によって、点の取り合いもしく
はバイエルンが崩れるのではないかという予感もあったが、その後
は両チーム共に堅実な試合展開。全体的にボールは良く動くのだが、
ゴール前の決定的なチャンスは多くはなかった。
逆に数少ないチャンスはすべてミスによるもの。後半はこのミスが
試合を分ける要因になるかもしれない。
46分 サリハミジッチ→シュバインシュタイガー(バイエルン)
後半の立ち上がりから、最近ではめっきりラッキーボーイ的存在と
なったシュバインシュタイガーを投入。流れを変えることが出来る
か。
47分 チェルシー 後半立ち上がりにビッグチャンス
後半開始早々、決定的なチャンスを掴むチェルシー。華麗なパス回
しから数的優位を作り最後はダフが完全にフリーで待ち構えていた
が、シュートはバイエルン、ルシオの体を張ったディフェンスに阻
まれる。
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52分 シュバインシュタイガーの同点ゴール
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バイエルンの攻撃をファウルで止めることが多くなっているチェル
シー。再び右サイドからのフリーキックを得、今度はバラックが強
烈なシュートを放つ。ボールは壁に弾かれるが、ゼ・ロベルトがも
う一度左足を振り抜く。たまらずハンブルするツェフ。そこにオフ
サイドトラップ崩れで取り残されていた途中交代のシュバインシュ
タイガーが詰め、バイエルン早い時間帯で同点とする。
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60分 ランパード すかさず突き放す二点目
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ホームで同点に追いつかれ、前掛かりにならざるを得ないチェルシ
ー。大声援に押され猛攻を仕掛ける。打点の高いドログバのヘディ
ングから落としたボールに鮮やかな体裁きで左足に持ち替えるラン
パード。絶妙のコースを突いたボールはゴール右に吸い込まれる。
65分 グレン・ジョンソン→フート(チェルシー)
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70分 ランパード 今日二点目のゴール
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チェルシーのスローインから、ダフが一人で持ち込もうとゴール前
で奮闘するもディフェンスに弾かれる。しかしこの処理にもたつい
たことが後に響く。こぼれたボールがマケレレの前に転がり、左サ
イドで張っていたランパードに送られる。バイエルンはオフサイド
を仕掛けるがDFが上がりきれずオフサイド崩れに。
胸トラップから反転したランパードは鮮やかに左足でゴールに叩き
込む。非常にテクニカルなシュートだった。
それにしてもここもドログバがヘディングに競り勝ったことから
チャンスが生まれた。
72分 ゼ・ロベルト→ショル(バイエルン)
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82分 ドログバ ダメ押しの4点目
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コーナーキックから。空中戦に再び競り負けるバイエルンDF。
ゴール近くでボールがこぼれるがそこに詰めているのはチェルシー
の選手三人。さすがのカーンも一度は弾くものの、至近距離からの
ドログバのシュートにはどうすることも出来ない。
バイエルンは自慢のディフェンスが崩壊してしまった。
82分 ジョー・コール→チアゴ(チェルシー)
89分 ドログバ→フォルッセル(チェルシー)
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後半ロスタイム バラック 希望をつなぐ二点目をPKで
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このままドイツへ帰る訳にはいかないバイエルン。少しでも希望を
つなぐため最後まで全力で攻め続ける。
左サイドでまるで柔道の試合のように競り合うリザラズとランパー
ド。そのファウルで得たフリーキックをショルが蹴り、反対側から
もう一度折り返したボールに反応しようとしたバラックがカルバー
リョに足をかけられPKをもらう。
これを確実に決めたバラック。絶望的と思われた勝ち抜けがより現
実的なものとなって見えてきた。
しかし、このPKの判定は確かに非常に微妙なもの。昨今の審判問
題などもあり、このジャッジに関しても物議を醸すことは間違いな
いだろう。
======試合終了======
得点:4−2
○総評
準決勝屈指の好カードと言われたこの対戦は、その名に恥じぬ最もス
ペクタクルに溢れたものとなった。
前半早々の先制点、その後は堅い試合展開が続くものの、後半は互い
に勝利への執念が垣間見える激しい戦いとなる。今試合のMVPとも
言えるドログバは、足で頭で二列目から飛び込んでくる選手に再三の
チャンスを演出。結果ランパードの二得点にもつながり、最後には
きっちり自分も得点をもぎ取った。
一方のバイエルンは、持ち前の集中力と精神的な強さがチェルシーの
破壊力とスタンフォード・ブリッジの観客によって打ちのめされ、普
段では考えられないディフェンスのミスを犯す。確かにチェルシーの
全ての得点は素晴らしいシュートによって生まれてはいたが、きっか
けはほとんどDFのミスから。これには名手カーンもどうすることも
出来なかった。
しかし、何はともあれ最後に二点目を奪えたことがすべて。わずか
だった可能性はかなりの現実味を帯びた。
○二戦目へ向けて
百戦錬磨のバイエルンといえど、今年のチェルシーの恐るべき攻撃力
には太刀打ちできなかった。勝ち抜けのためには2−0以上の成績が
要求される。しかし、このチームを0点に抑えるのは至難の業。しか
しもし1点を取られれば3点が必要となってくる。
依然不利な状況は変わらないが、可能性は十分。オリンピア・シュタ
ディオンでエース、マカーイが帰ってくれば大量得点もあり得る。
最初の一点をどちらが取るか、それが勝負の分かれ目となる。
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