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◆◇◆◇ EURO FOOTBALL #32(2005/4/13) ◆◇◆◇
2005/1/27 創刊
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□■ トピックス □■
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┗1、チャンピオンズリーグ 準々決勝結果詳報
インテル(ITA) vs ミラン(ITA)
バイエルン(GER) vs チェルシー(ENG)
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1、チャンピオンズリーグ 準々決勝結果詳報
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インテル(ITA) vs ミラン(ITA)
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※ 没収試合となり、正式な判定は未定
○得点
|30分 シェフチェンコ
|
○交代
46分 キリ・ゴンサレス→フリオ・クルス(インテル)
サネッティ→ミハイロビッチ(インテル)
50分 アドリアーノ→マルティンス(インテル)
68分 クレスポ→ルイ・コスタ(ミラン)
〈試合概要〉
試合開始前 インテル アドリアーノが復活
第一戦は怪我で出場できなかったアドリアーノがスタメンに。それ
以外にも攻撃陣にキリ・ゴンサレス、ファン・デル・メイデを起用
してきたマンチーニ。ビエリやマルティンスは控えに回った。
試合序盤 激しい立ち上がり
攻撃に出るしかないインテルは立ち上がりから攻撃的なサッカーを
展開。しかし要所要所は厳しいファウルで止めるなど、かなり殺伐
とした立ち上がりとなった。前半6分で既に2枚のイエローが出た。
13分 ヴェロンの強烈なシュート
左45度から、かなり長い距離ながらもヴェロンが思い切ってシュ
ート。強烈な弾道が確実に枠を捉えるが、ジーダによって弾かれる。
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30分 シェフチェンコのゴールでミラン先制
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激しい試合ながらも集中したディフェンスを見せていたインテル。
前線からの徹底したプレスが功を奏しミランに攻撃を許さない。
しかしここにきて最も注意すべき選手をゴール前でフリーにしてし
まう。右45度の位置でフリーでボールを持ったシェフチェンコが
左足を振り抜き、矢のようなボールが見事にゴールに突き刺さる。
シュート自体は確かに素晴らしかったが、これで勝ち上がりのため
に4点が必要となったインテル。最悪の形で先制点を献上してし
まった。
32分 キリのシュートもジーダ
今日スタメンのキリ・ゴンサレスが先程のヴェロンと同じような位
置でシュート。ボールの軌道は枠の隅を捉えるが、再びジーダの好
セーブに阻まれる。
======前半終了======
得点:0−1
ダービーマッチということもあるのか、とにかく得点が必要なインテ
ルはまるで親の仇のような試合を展開していた。そこには友好的な関
係など微塵も見られなかった。
前線からの激しいプレスと豊富な運動量は確実にミランの足を止めて
いたのだが、一瞬の間隙を突かれての失点。勝ち抜けが厳しくなった、
というよりもほとんど絶望的となった。
後半、より前掛かりになることが予想されるインテル。互いに大事な
時期だけに怪我人だけは出して欲しくないと願う。
46分 キリ・ゴンサレス→フリオ・クルス(インテル)
サネッティ→ミハイロビッチ(インテル)
後半の立ち上がりから二枚のカードを切ったインテル。より攻撃的
な布陣となって後半に望む。
50分 アドリアーノ→マルティンス(インテル)
前線でネスタとボールを奪い合っている最中、接触はなかったもの
の倒れこんでしまったアドリアーノ。そのまま立ち上がれずに交代
となってしまう。容態も心配されるが試合としてもますますインテ
ル不利に。
51分 マルティンス フリーもまたジーダ
代わって入ったマルティンスの最初のプレイ。こぼれてきたボール
をキープ。持ち前のスピードでネスタを振り切ってゴール前フリー
となる。シュートも隅を捉えた強いものだったが、またしてもジー
ダに弾かれる。再三のチャンスは全てこのブラジル人キーパーの前
で砕かれている。
68分 クレスポ→ルイ・コスタ(ミラン)
69分 ファン・デル・メイデのシュートも弾かれる
猛攻を仕掛けるインテル。ファン・デル・メイデがゴール前でシュ
ートを放つが、またもジーダに弾かれてしまう。このミランのキー
パーは第一戦から神がかっている。
70分 カンビアッソのヘディングシュートはファウル
コーナーキックから、カンビアッソが放ったヘディングが遂にゴー
ルネットを揺らす。しかしその前にクルスのジーダへのファウルが
あったとしてノーゴールに。微妙な判定にインテル選手は激怒。
インテルサポーターが暴徒化 試合は中断
このノーゴールの判定にインテルサポーターが暴徒化。ペットボト
ルや発炎筒を次々とピッチに投げ込む。
そして、それらを片付けていたジーダの肩に発炎筒が直撃。見た限
り重傷ではなさそうだったものの、右肩のユニフォームには穴が開
くなどその危険性を十分物語っていた。
その後、ピッチの半分が見えなくなるほど大量の発炎筒が投げ込ま
れ試合の継続は不可能に。しばらく様子を見るものの結局全選手、
審判が避難し試合は完全に中断してしまった。
約20分後、試合再開されるもののすぐに中止 没収試合に
長い中断の後、ジーダはアッビアーティと交代し試合再開。しかし
直後に再び無数の発炎筒や物が投げ込まれ、審判は直後に中止を選
択。
正確なジャッジは不明だが、恐らく没収試合となりミランの勝利と
して終わるものと思われる。どちらにしろ、非常に後味の悪い最悪
の結果になってしまった。
======試合終了======
得点:0−1
勝ち抜け:ミラン
○総評
このような残念な結果で終わってしまったことは抜きにして単純に内
容としてこの二試合を振り返ると、それでもやはりミランの強さが際
立ったと言える。
個人的な能力に差はないはずなのだが、やはりチーム力とでも言うべ
き「勝つ」力が、はっきり言って二回りほどミランが上回っていた印
象を受ける。それは、仮に今後まったく同じ条件で試合をしても同じ
結果になるということである。まるで大人と子供の試合を見るようで
あった。
二試合を通じて結果のみを見れば2ゴールをあげたシェフチェンコの
活躍が光るが、数字には表れないが何といってもジーダに尽きるだろ
う。鬼のようにシュートを弾きまくった第一戦から、今日もことごと
くファインセーブを連発。正に絶頂期のカーンを彷彿とさせる完璧な
守備でインテルにゴールの希望すら与えなかった。
それ故に、今日の怪我の具合が非常に心配されるところである。
そして、二試合目がこのような形で終わってしまったのは残念極まり
ない。今や世界一マナーが悪いイタリアのサポーターに対し、UEF
AやFIFAも何らかの処分を下さなくてはならないのかもしれない。
○準決勝へ向けて
(正式な判定はこの時点では不明だが、ミランが勝ち上がったものと
する)これでマンU、インテルという強豪を破ったことになるミラン。
スタム、ネスタ、マルディーニという屈指のディフェンダー陣に、も
はや世界ナンバーワンなのではないかという域に達してしまったジー
ダ。次に当たるのはPSVとリヨンの勝者となるわけだが、このミラ
ンの牙城を崩すのは相当な難事になることだろう。
加えて以前好調を維持しているクレスポに、復帰したシェフチェンコ
などの強力な攻撃陣。中盤のメンバーも完璧とくればほとんど穴がな
い。
そして何よりも戦力としてバランスが取れている以上に「勝つ」とい
うことに関しての経験値が非常に高いのを感じる。今日の試合も一点
を取った後は決して無理をせずにボールを回し、インテルのイライラ
を誘った。積極的に攻撃しないその様は確かにスペクタクルなものと
は言い難く見ていて退屈になることはあるが、力の「入れどころ」と
「抜きどころ」を本当に良くわきまえていることが分かる。
正に老獪なミラン。次の試合ではどのような展開を見せてくれるだろ
うか。
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バイエルン(GER) vs チェルシー(ENG)
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○得点
| 30分 ランパード
65分 ピサロ |
| 80分 ドログバ
90分 ゲレーロ |
94分 ショル |
○交代
51分 デミチェリス→ショル(バイエルン)
71分 ダフ→チアゴ(チェルシー)
72分 マカーイ→ゲレーロ(バイエルン)
77分 リザラズ→サリハミジッチ(バイエルン)
87分 グジョンセン→ジェレミ(チェルシー)
92分 ジョー・コール→モライス(チェルシー)
〈試合概要〉
1分 チェルシー いきなりのチャンス
開始1分、オフサイドトラップを抜け出したドログバがキーパー
と一対一に。何とか飛び出したカーンの好判断によって難を逃れ
る。
4分 ピサロ チャンスもキーパー正面
立ち上がりから激しい攻撃の応酬を見せる両チーム。
左サイド素早いドリブルで抜け出したゼ・ロベルトのクロスに、
今日先発復帰のピサロがフリーでシュート。しかしキーパー正面
に飛び、ビッグチャンスを逃す。
18分 シュバインシュタイガーのチャンス
ここまでほとんど右サイドから攻めていたバイエルン。この場面
では右サイドからシュバインシュタイガーが切り込んでくる。
巧みなドリブルでディフェンダー数人をかわすものの、シュート
は惜しくも枠を外れる。
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30分 ランパード アウェイゴールの先制点
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序盤の攻勢を活かせなかったバイエルン。徐々にチェルシーに押
し込まれる展開となる。
しっかりとしたパス回しから最後はランパードのシュート。シュ
ートそのものは何ともなかったのだが、止めにいったルシオの足
に当たって方向が変わり不運のゴール。奇しくも第一戦と同じよ
うな先制点となった。これでバイエルンには3点が必要となる。
40分 バラック 最大のチャンスを外す
今日スタメンに入ったフートのクリアミスがバラックの目の前に
転がる。ペナルティエリア内正面でフリーとなったバラックだが、
シュートははるか上方に吹かしてしまう。
42分 ドログバ抜け出すも止められる
1トップのドログバ。再三オフサイドにかけられていたが、ハー
フウェイライン付近で抜け出しそのまま独走。チャンスであった
が、R・コバチの良い守備によってボールを奪われる
======前半終了======
得点:0−1
どうしても先制点が欲しかったバイエルン。序盤こそ大いにその可
能性が感じられたのだが、それらがことごとく阻まれるとペースは
次第にチェルシーに。
そんな中でカウンターから奪われた1点。第一戦と同じようにルシ
オの足に当たってのゴールだった。つくづくツキがないバイエルン。
この1点で少し意気消沈してしまったのか、その後は元気がないよ
うに感じられた。
非常に苦しくなったバイエルンだが、まだチャンスは残されている。
後は精神力の問題か。ふんばれるか、バイエルン。チェルシーがこ
のまま飛びぬけるのか。
51分 デミチェリス→ショル(バイエルン)
後半序盤 バイエルン ロングボールで仕掛けるも跳ね返される
早い時間でショルを投入したバイエルンはよりポゼッションが出
来るようになり、尚一層チェルシーを攻め立てる。しかし中にま
で入り込むことが出来ずサイドからロングボールを多用するが、
高いチェルシーディフェンダーに次々と跳ね返される。
59分 ダフ 至近距離からのシュートもカーンのスーパーセーブ
フリーキックから、ほとんど上がっていなかったチェルシーに油
断したかバイエルンDFがクリアミスを犯す。こぼれたボールを
ダフがキーパーの2m手前で叩き込むが、カーンの神がかり的な
セーブで弾かれる。
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65分 ピサロ ようやく一点を返す
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再三のサイド攻撃がようやく実を結ぶ。サニョルからのロングク
ロスにあわせたのはバラック。きれいな軌道を描いたボールはキ
ーパーツェフに弾かれるが、詰めていたピサロが無人のゴールに
押し込む。バイエルンはあと2点が必要。
69分 バラックのヘディング
1点を返したことで雰囲気が一変したオリンピア・シュタディオ
ン。一気に押せ押せムードとなる。
コーナーキックからのバラックのヘディングはキーパーと逆方向
に。しかし寄せていたグジョンセンに弾かれ難を逃れる。
71分 ダフ→チアゴ(チェルシー)
72分 マカーイ→ゲレーロ(バイエルン)
この日まったく仕事が出来なかったマカーイ。やはりまだ本調子
でないのか。スーパーサブのゲレーロと交代。
77分 リザラズ→サリハミジッチ(バイエルン)
遂にDFを一枚下げてきたバイエルン。攻撃あるのみか。
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80分 ドログバ 息の根を止めるゴール
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再三再四攻め続けたバイエルン。しかしカウンター一発からピン
チを招く。左サイドフリーでゆっくりとボールをキープするジョ
ー・コール。バイエルンは三人のDFに対してドログバ一人だっ
たのだが、まるで練習のようなゆっくりとしたクロスに超人的な
ジャンプ力であわせられる。バイエルンとしてはあまりにも不甲
斐ない失点だった。
直後、あのカーンが弱気な表情を見せていたのが印象的。
87分 グジョンセン→ジェレミ(チェルシー)
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90分 バイエルン 意地の1点
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ロスタイム直前、右サイドでフリーとなったシュバインシュタイ
ガーがシュート。ゲレーロの足に当たって方向が変わりゴールイ
ン。絶望的となったもののバイエルンが意地の一発を返す。
余計に先程の1点が悔やまれる。
92分 ジョー・コール→モライス(チェルシー)
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94分 ショル 鮮やかなスライディングシュート
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誰もがもう無理だと思い、観客もほとんど帰ってしまった中で最
後まで諦めないバイエルンイレブン。確かにチェルシーディフェ
ンスが早く終わらないかと浮き足立っていたのは事実だが、間隙
を突いてのショルの見事なスライディングシュート。
土壇場からあと1点で延長というところまで本当にこぎつけた。
しかしこの直後に無常のタイムアップ。
======試合終了======
得点:3−2
勝ち抜け:チェルシー
○総評
1stレグに続き好試合となったこのカード。
攻めるバイエルン、守るチェルシーの構図は終始崩れなかった。それ
は26:7というシュート数にも現れている。不運な失点さえなけれ
ばと悔やまれるところだ。
チェルシーとしては途中までは正に思惑通りの展開だった。早々に先
制点を奪い、追いつかれたところでとどめとも言える一撃を食らわせ
た。特にチェルシーの若い選手たちはこれで楽々と勝ち進めると考え
たはずだ。
しかし、恐るべきはゲルマン魂。例え絶望的となっても決して諦めな
い、よもや負けるのだとしてもただでは引き下がらないという執念の
サッカーをバイエルンは見せてくれた。終わってみれば、結局1st
レグのアドバンテージが大きく効いたものになっていたのだから。
試合終了後、胸を張ってサポーターの元へ向かうイレブンに暖かい拍
手を送る地元サポーター。そこにはこの日行われたもうひとつの試合
とは対照的な光景が繰り広げられた。
素晴らしい試合を繰り広げてくれた、負けて悔いなしのバイエルンイ
レブン、そしてサポーターに感謝の言葉を捧げたい。
○準決勝へ向けて
これでバルセロナ、バイエルンという現時点で各リーグの一位を走る
チームを連続で撃破したことになるチェルシー。しかもそのサッカー
は常に攻撃的でスペクタクルに溢れるものであった。
屈指の左ウィンガーと言われ、間違いなく今シーズンのチェルシーの
攻撃の一翼を担っていたロッベンを欠いてもこの破壊力。ランパード
の「今はどこと戦っても負ける気がしない」という言葉もいよいよ現
実味を帯びてきたのか。
次に当たるのはユベントスかリバプール。この最も恐るべきチームを
迎え撃つのは果たしてどちらになるのか。
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