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EURO FOOTBALL #72 (2005/11/19)
2005/1/27 創刊
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□■ トピックス □■
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┗1、今週のニュース
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1、今週のニュース
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ロイ・キーン マンU電撃退団
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つい先日、電撃的なニュースが飛び込んできた。
マンチェスター・ユナイテッドのキャプテンで、「闘将」ロイ・キー
ンの退団が決定したというのだ。
ロイ・キーンとは、イングランドプレミアリーグ史上最高のキャプテ
ンとも言われるほど優秀な選手で、その情熱的なプレイスタイルは敵
チームから最も恐れられる存在である。
激しいプレイばかりが目立つものの、ゲーム中に局面を見極める判断
能力や確かなテクニックも有しており、その無類のスタミナも相まっ
て、マンU、そしてアイルランド代表において欠かすことが出来ない選
手となった。
反面、少年時代はボクシング選手だったという気性の荒さと、からか
われた10代の少年を殴ってしまうなどの素行の悪さでも有名で、中で
も最も問題視されたのは、2002年に発売された『ロイ・キーン 魂の
フットボールライフ』という自伝の中で、1999年のマンチェスター・
シティとのダービーで、ハーランドという選手に対し、以前ファウル
を受けた報復のために故意にタックルを行ったとの記述だ。結局、ハ
ーランドはこの怪我が回復せず引退に追い込まれている。
この事実は当時大きな反響を生み出し、事態を重く見たイングランド
サッカー協会は、リーグ戦5試合出場停止と罰金15万ポンド(約3000万
円)という処分を課した。
同僚のリオ・ファーディナンドの「彼がいないマンUなど想像も出来な
い」という言葉を待たずして、彼はやはり欠かせない存在と誰もが見
ていた。
しかし、残念ながらワンマンな選手の宿命なのか、キャプテンであれ
ば本来勇気付けてあげるべき若手の選手を名指しで批判するなど、も
はやチームから剥離した存在となっていた。
あれほど愛された赤い悪魔の「闘将」は、年齢からくる衰えもあるの
か、サポーターからもほとんど愛想をつかされつつあった。
今後は母国アイルランドに戻って、中村俊輔も所属するセルティック
への移籍が濃厚となっている。
どうやらまだ現役を引退するわけではないようなので、ファンの方は
一安心というところだろうか。
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マルディーニ「2007年でやめる」
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ミランのキャプテンで、先日セリエAの最多出場試合数を塗り替えた
パウロ・マルディーニが、ミランとの現在の契約が切れる2007年に引
退する決意があることを正式に表明した。
17歳でトップチームにデビュー。以降、名門ミランの激しいポジショ
ン争いにも打ち勝って試合に出続け、フランコ・バレージ、ルート・
フリット、マルコ・ファンバステンら伝説の名選手と共に黄金時代を
築き、彼らが引退・移籍する中でもチームに残り続けた。
選手達が皆で食事を取るときにはキャプテンが席を立つまでは誰も立
たない、などの厳格さでも知られるミランのキャプテンを長年続けて
きたのである。
また温厚な人柄でも知られ、怪我をした選手がいれば必ず電話を入れ
て励ますなど、チーム・国籍を問わず、全ての選手から厚い尊敬と信
頼を寄せられていた。
20年間、世界でトップレベルの能力を維持し続けているというのは正
に奇跡的な存在といえる。間違いなく、世界で最も偉大な選手の一人
としてサッカー史に残る存在となるだろう。
個人的に、このパウロ・マルディーニには非常に深い思い入れがあり、
彼の引退を短い言葉で語りつくすことは出来ない。
遂にそのときが来てしまったのか、というところだろうか。
いつか、彼が本当に引退してしまった時、その心境をどこかに書き記
したいと思う。
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大乱闘、大逆転も W杯予選プレーオフが終了 全出場国揃う
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先週、W杯予選の欧州プレーオフが行われ、遂に2006年ドイツW杯の全
出場国が出揃った。
まず妥当な勝ち抜けを決めたのはスペイン。1stレグを5-1と圧勝した
ことでほぼ確実にしたようなものだったが、ノルウェーとのアウェイ
戦を1-1のドローとし、まさかの予選敗退から逃れた。
また、同じく1stレグで勝利を収めていたチェコは、2ndも0-1で勝利し、
見事ネドベドの復帰を祝った。ただし、彼が本大会まで出場するかど
うかはまだはっきりしていない。是非とも見たいものだが。
そして、大荒れだったのがトルコvsスイスの試合だ。初戦を2-0で勝利
していたスイス。点差以上の完敗を喫してしまったトルコは、世界一
熱狂的なホームの大観衆の後押しを受けて反撃に転じる。
しかし、開始早々のPKで先制したのはスイス。アウェイゴールを取ら
れたトルコは、これで一気に4点以上が必要となってしまう。
以降は正に「死闘」。必死の追い上げで前半のうちに2点を挙げ、2-1
としたトルコは「あと2点」というところまで追い詰める。
そして後半7分にPKを獲得し、遂にトータルスコア3-3に追いつく。怒
号で揺れるスタジアム。鳴り止まない歌声。そこは正にサッカーとい
う器を借りた「戦場」だ。
結局、その後の神経が磨り減るような一進一退の攻防を制したのはス
イス。後半39分、トルコ守備陣のミスをついて追加点を獲得。張りつ
めた緊張の糸が遂にほどける。
しかし、トルコは諦めない。後半ロスタイム、再び同点に追いつくゴ
ールを上げると、残りわずかな時間に全身全霊を賭ける。
今まで何度も同じような場面を見たと思うが、この状況を表現できる
言葉は「凄まじい」しか見当たらない。
しかし、無常のホイッスルは鳴り響く。トータルスコア4-4も、アウェ
イゴールで勝利を収めたのはスイスだった。
しかし、その試合はそれだけでは終わらなかった。試合終了後、ロッ
カールームに引き上げる選手同士の間で大乱闘が発生。スイスDFのグ
リフィティング選手が腹部を蹴られ、何と尿管に穴があくという、聞
くだけでも痛そうな怪我を負った。同選手は翌日に退院したものの、
10日間の絶対安静が必要だという。
スイス側は「本来我々を守るべき警備員にまで突き飛ばされた。あん
なことが許されるのか」と激怒。事態を重く見たFIFAは独自に調査を
開始し、最悪、トルコの次回2010年のW杯出場停止、という処分が下さ
れるのではという見方も出ている。
それにしても、W杯の大きさ、人々のサッカーに対する熱狂さは、欧州
の国によっては本当に凄まじいものなんだと感じる。
そして、大逆転を収めたのがオーストラリア。毎年毎年オセアニア地
区予選ではぶっちぎるものの、南米5位とのプレーオフという宿命に泣
かされ続けてきた。
そして、その宿命の相手は4年前と同じウルグアイ。南米でなければ楽
々と予選を突破しているであろう強豪国で、レコバ、サラジェタら能
力の高い選手を揃える今回も有利と見られていた。
1stレグを1-0で切り抜けたオーストラリア。
8万人を超える大観衆は、32年振りの奇跡を信じた。
試合は初戦と同じ1-0で終了。延長でも得点は入らず、長いW杯の歴史
でも初めてとなる「出場国を賭けたPK戦」が始まった。
4人が確実に決めたオーストラリアに対し、ロドリゲス、サラジェタの
2人が失敗してしまったウルグアイが敗退。オーストラリアは遂に念願
のチケットをその手にした。
その瞬間のスタジアムの興奮といったらそれはものすごいものだった。
何度も何度も苦汁を飲まされ続けた選手と国民は、歓喜と感動を爆発
させていた。
このオーストラリアが次回からはアジア予選に入ってくるわけだから、
日本も安穏とはしていられない。
それにしても、欧州、及び世界のW杯予選は今回も本当に凄まじいもの
だった。自国の威信と名誉を賭けたガチンコの戦い。それに比べると、
やはりアジア予選は相当甘すぎる感は否めない。
役者は揃った。全世界が熱狂するW杯は、いよいよ来年。
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