━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


       ＥＵＲＯ　ＦＯＯＴＢＡＬＬ ＃７４ (2005/12/4)  　　　
                                       2005/1/27 創刊


 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

────────────────────────────────┐
□■　トピックス　□■
●
┗１、今週のニュース
  −ロナウジーニョ　記念すべき50回目のバロンドールに輝く
  −メッシーナのゾロの行動がUEFAを動かす
  −バルセロナ　奇跡のチームを生み出す
  −ミラン対ブレシア戦でクレスポがゴール？ 
  −ユトレヒトのディ・トマソ　26歳の若さで急死
□■□■□■□■□■□
────────────────────────────────┘

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
１、今週のニュース
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
ロナウジーニョ　記念すべき50回目のバロンドールに輝く
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

2005年度のバロンドールが遂に発表され、バルセロナに所属するブラ
ジル人プレイヤー、ロナウジーニョがその栄光に輝いた。

確かに昨シーズンのバルセロナはCLこそ惜しくも敗退してしまったも
のの、リーガを制覇し、特にここ最近のチーム状態には一種の凄みの
ようなものさえ感じられる。
そして、そのバルサを一も二もなく牽引してきたのは、デコでもなく、
シャビでもなく、確かにこのロナウジーニョだったろう。

彼が、このサッカー選手にとって最大の栄誉とされるバロンドールを
受賞したことに、文句がある人間はいないだろう。間違いなく今最も
輝いている選手だし、最もうまい選手である。
そしてそれ以上に彼を見ていて感じるのは、これほどサッカーを楽し
んでいる選手は他にいないということだ。
彼は常にボールを手放さないそうだ。寝るときも一緒。飛行機で移動
している時も、他の選手が眠っていても一人でリフティングをしてい
るのだそうだ。正に「キャプテン翼」を地でいく勢いだ。本当にそん
な人がいるのかと思えるけれども、ピッチでのあの異次元の動きを見
ていると、納得してしまえる。
彼は、世界一サッカーを愛しているのだ。

授賞式の日、ロナウジーニョにいつもの笑顔はなく、終始緊張した面
持ちであった。それほど、このバロンドールという賞に重みがあるか
らだが、やはり彼には、ユニフォームを着てピッチ上で心底楽しそう
にサッカーをしている姿が一番似合うと思うのは私だけではないだろ
う。

ちなみに、ロナウジーニョは12月19日に発表が予定されているFIFA最
優秀選手にもノミネートされており、他に同じチームのエトーとチェ
ルシーのランパードがいる。去年、同賞を獲得しているロナウジー
ニョだが、果たして二年連続となるかどうか。

欧州のサッカー記者の投票によって選ばれるこの賞。今回ロナウジー
ニョがダントツでトップだったようだが、それ以外の主な選手の得票
数は以下の通り。


 1 　ロナウジーニョ（225）
 2 　フランク・ランパード（148）
 3 　スティーブン・ジェラード（142）
 4 　ティエリ・アンリ（41）
 5 　アンドリー・シェフチェンコ（33）
 6 　パオロ・マルディーニ（23）
 7 　アドリアーノ（22）
 8 　イブラヒモビッチ（21）
 9 　カカ（19）
 10　サミュエル・エトー（18）
     ジョン・テリー（18）


∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
メッシーナのゾロの行動がUEFAを動かす
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

事件が起こったのは、セリエA13節、メッシーナvsインテルの後半20分
のことだった。
メッシーナのDFゾロが突然ボールを持って走り出し、第四審判の元に
駆け寄ったのだ。彼は試合の中断を要求した。

理由は、試合開始直後から延々と人種差別的な罵声を浴びせられ続け
たからだった。コートジボワールの若きDFは、このイタリアでの屈辱
に、堪忍袋の緒が切れた。
対戦相手のアドリアーノやマルティンスらの説得によってピッチに
戻ったゾロだったが、この行動は非常に大きな反響を呼んだ。

まず、試合終了後にインテルの選手達、会長が相次いでゾロ及びメッ
シーナに謝罪。
そして、あまりにも相次ぐこのようなピッチ上での人種差別的な事件
に、事態を重く見たUEFAは遂に本格的な対策を打ち出した。

UEFAのオムダル副会長は、この問題の解決を「最優先事項」と言い切
り、「人種差別問題を放任しているクラブはすべてのカップ戦から単
純に除外される」と語った。

また、「万が一問題が起こった場合、主審は試合を中断すること、あ
るいは完全に打ち切ることも躊躇すべきではない」とも語り、今回の
ようなことが起こったら、当該チームの反則負け、という裁定もあり
うることを示唆した。

UEFAのこの決断は賞賛されるべきだろう。現状、特にイタリアとスペ
インでの人種差別的環境はひどいと言われる。フランスやイングラン
ド代表には黒人が多いが、前者の二国では数えるほどしか思いつかな
いことがそれを暗喩している。
この問題は各国の歴史などとも深く絡んでくるので一概に言うのは難
しいが、「人種差別」などというくだらない価値観を持ち出す応援団
など排除すべきだし、それで本当に例えばイタリアやスペインの強豪
クラブがCLやUEFAカップから姿を消したとしても、この問題が解決す
る一助をなすならそれこそ躊躇すべきではない。

この問題は、人々の意識を変えることしか解決策がないのだから。


∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
バルセロナ　奇跡のチームを生み出す
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

現地時間の11月29日夜、スペインのバルセロナであるひとつの奇跡が
起きた。
前夜にバロンドールを受賞したばかりのロナウジーニョら、バルサが
チャリティマッチで対戦した相手は、なんとイスラエルとパレスチナ
の混合チームであったのだ。
これは、前日までバルセロナで行われていたEU・地中海諸国首脳会議
の影響もあって開催されたもので、この会議にはEU加盟25カ国の他、
イスラエルとパレスチナ自治政府も参加していたことから実現した。

しかし普通に考えて、イスラエルとパレスチナの混合チームが実現す
るなど考えにくく、確かに数週間前から噂はあったものの「まさか本
当に実現するわけがない」と筆者自身も思っていた。
しかし、この夜それは現実に起こったのだ。この場合、決して良い言
葉ではないかもしれないが、まさに「奇跡」のチームと言っていいの
ではないか。
試合は、バルセロナが2-1で勝利。会場を埋めた3万人を超える観客は、
両チームに惜しみない拍手を送ったという。

この日の収益金は、両国の子供達に寄付される。これで何かが変われ
ば、そのきっかけになることがあったなら、バルサの選手、サポータ
ー、そして平和を願うイスラエルとパレスチナの人々にとって最高の
贈り物となることだろう。


∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
ミラン対ブレシア戦でクレスポがゴール？ 
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

コッパ・イタリアのミランvsブレシア戦で、奇妙なことが起こった。
ダメ押しの3点目を叩き込んだのは、今年インテルから移籍してきたビ
エリ。しかし電光掲示板に表示されたその名前は「Hernan Crespo」…。

観客席のサミランポーターは、4,5分後にこのミスが訂正されるまでふ
ざけてクレスポの名前を叫んでいたそうだが、CLでもリーグ戦でも若干
苦戦を強いられているミランサポーターの、案外心の叫びかも…


∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
ユトレヒトのディ・トマソ　26歳の若さで急死
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

ユトレヒトで活躍していたフランス人DF、ディ・トマソがわずか26歳と
いう若さで他界した。原因は睡眠中の突然の心臓発作だといい、詳しい
究明はこれからとなるだろう。

ディ・トマソは、2004年にユトレヒトへ移籍。無名のフランス人だった
が、やってきてすぐの04-05シーズンに大活躍をし、ユトレヒトファンが
選ぶ人気投票で、何と一年目にして第一位に選ばれた。
それ以来、オランダの各クラブは無名のフランス人発掘に力を入れ始め
たといわれるほど、優秀な選手だった。

そんな将来有望な選手の突然の死に、周囲はショックを隠しきれない。
クラブは彼のつけていた背番号「4」を永久欠番とすることを発表。遺さ
れた夫人と2人のお子さんに手渡した。

ユトレヒトの主将、ヨングは涙ながらに語った。
「私たちは勝利も敗戦も常に一緒に経験してきた。しかし、今回が一番
辛い敗戦だ。これからは、ピッチにいつも12人がいると考える。ディト、
ありがとう」

サッカーを愛するものとして、これほど辛いことはない。そして、遺さ
れた夫人と幼い子供達を思うと胸が締め付けられるようだ。

故人のご冥福を心からお祈りいたします。



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
〈その他のニュース〉
・バルセロナのシャビ　練習中に重傷　全治六ヶ月か
・チェルシーのランパード　160試合連続出場の新記録
・デル・ピエロ　ユベントスの歴代最多得点記録を更新
・FIFA、トルコ対スイス戦の査問を開始
・レアル・マドリー　カシージャスとエルゲラが契約を延長
・ギャリー・ネヴィルがマンUの新キャプテンに
・リヨン　フランスで最も人気のあるチームに
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


====================================================================

内容に関して、毎回慎重な検討を行っておりますが
その真偽に関しては免責でお願いいたします。申し訳ございません。
本文の無断転載は禁止です。

ホームページアドレス
 http://www7a.biglobe.ne.jp/~eurofootball 

ご意見、ご要望、ご指摘、お怒り、何でもお待ちしております。
 craziest2004jp@yahoo.co.jp 

メルマガの購読・停止はこちらにお願いいたします。
 http://www.mag2.com/m/0000147736.htm 
 http://www.melma.com/backnumber_131654/ 

以下へ空メールを送ることでもご登録できます。
 sub-131654@mc.melma.com 

╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋╋

Copyright (C) 2005 EURO FOOTBALL. All Rights Reserved.